BEAMS(ビームス) /fennica(フェニカ) ニッポン最高の手しごと

2003年より “デザインとクラフトの橋渡し”をテーマに 衣食住にまつわる手しごとのものを展開するビームスのレーベル fennica(フェニカ)。
ディレクターを務めるのはテリー・エリスさんと北村恵子さんのお二人。
わたしは2005年〜2012年の間 彼らがバイイングするモノに携わる環境で働いていた。当時も 恵まれた場所を有難いと感じていたが 今になっては尚更 本物ばかりを集めた空間に身を置かせてもらったことにつくづく感謝してしまう。
ビームスという名前を知っていても フェニカと聞いてもピンとこない人は多いと思う。
ビームス内には30程のレーベルが存在し 店舗数150近くあるなかでも フェニカの展開店舗は原宿、新宿、神戸の3店舗のみ。
フェニカの世界観を知るには 直接店舗へと言いたいところだけど 正直 前情報なしだと行ったところで「?」となる可能性も少なくないかもしれない。
民藝の店?家具の店?洋服やアクセサリーもあるけど食品もあるの??
大半の方はそう感じるかもしれない。
今日は 久々にこの一冊を開いてみた。
“フェニカ=テリーエリス×北村恵子 ” と捉えると 彼らのセレクトしたもの そこに至るまでの背景や活動から ファッション然り暮らしの価値観を学べることがものすごく大きい。
まず 国も時代も古いものも新しいのもいろいろなものを合わせるのが彼らのスタイルである。
ただし 『本物じゃないと ミックスしたときにチープなイメージにもなってしまう』と北村さんは言う。
では本物を見分けられるにはどうすればその目を養うことができるのか という問いに対して 本の中で彼女はこう答えている。
『まずは単純に 自分にとって美しいか 美しくないかが基本です。私たちは すべてそれで動いてきているので。今の日本の人は 美しいという言葉をあまりつかわなくなりましたね。どちらかといえば かわいいをよくつかう。そこは私たちはやっぱり 美しい=ビューティフルという言葉のほうがしっくりきている。自分の中でグッと響くところ 感じるところがあるという意味合いです。古くても ボロボロのなかにも美しさはある。ただそこで終わることはありません。美しいものは どうして美しいんだろう、ということを考えます。どうしてなのか なぜこうなるのか。時代やその土地の文化やなんかのバックグラウンドも調べるし そこは曖昧にしない。調べていくと 見えてくることがいろいろあるんです。
あとは 練習っていうと変ですけど とにかく見ることでしょうね。見て 見て 見まくる。最初はわからなくても 目でいいな 美しいなと思ったら 触ってみる 持ってみる。あとは欲しいか、使ってみたいかを考える。いっぱいものを見ていると 目が慣れて もののよさがわかるようになってくるので 選べるようになってきます。感覚は 訓練で養っていける部分ってあると思います。もちろん そう簡単ではないかもしれないですけど。
ただ基準として 値段の安すぎるものはまず信用していません。「この値段ってことは つくっている人の賃金は?」とてふたりでよく話します。もちろん高すぎるのもしかりです。ちゃんと説明を聞いて 適正な価格かどうかを考えます。それなりの理由があると思ったら 高くてもがんばって買いますね。
そうして自分が これが好きだって自信を持って思えるようになれば きっとおもしろくなっていく。新しい世界が広がっていくし 生活が楽しくなります。』
さて、そんな彼らは1997年に初めて沖縄を訪れてから今もなお 頻繁に足しげく通う。
フェニカでは毎年 恒例となっている “OKINAWAN MARKET”、伝統的な沖縄陶器である”やちむん”を始め、雑貨、籠、食品など沖縄のクラフトを幅広く展開するイベントである。
同じやちむんの窯元を扱うお店は他店にもあるけれど やっぱりフェニカならではの強みは このイベントにあわせて別注品があるということだけでなく ディレクターであるエリスさん 北村さんのフィルターを通して一点一点確かな選ばれたモノ達がずらりと並ぶこと 。
彼らが視るOKINAWAは 今年もまた多くの人に喜びをもたらすのだろう。
“OKINAWAN MARKET2019”
会期:2019年3月8日(fri)~2019年3月17日(sun)
場所:原宿インターナショナルギャラリー ビームス2階 fennicaコーナー
【主なラインナップ】<読谷山焼北窯>松田米司・健吾 /松田共司、 <読谷山焼共同窯> 山田真萬、<室生窯>谷口室生、<大宜味村共同窯>菅原謙、<工房福田>福田健治、<なかどまり工房> 登川均、<茂生窯>上江洲茂生、<照屋窯>照屋佳信、琉球玩具製作所こくら
https://www.beams.co.jp/blog/fennica/34839/
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ちなみに、本の中にはこのような一節もあった。
「おしゃれとはファッショナブルな洋服を着ることだけではなく 暮らす空間や食べるものなど すべてが同じ延長線上にある」
そうでありたいなと つくづく思いながら 我が家の食器棚にあるfennica別注インディゴこけしをパシャリ。

昨年末 、沖縄にいらしたお二人に初めて息子を抱いてもらった(少しでもセンスをあやかれますように)

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