Yチェアのリプロダクトに注意?購入時のポイントなど解説
【2020年4月18日/新たに写真を撮り直しました。】
目次
このポイントさえ知っておけばYチェアを安心して購入出来る!
Yチェアの購入に関わらずですが、インテリアの買い物ってかなり失敗したくないジャンルだと思います。
実際に使う場所でのサイズ感や雰囲気、都合の良さなど、家具ってどうしても場所をとってしまうことは否めないし、失敗した時に簡単に買い直しがきかないし…。
とにかく間違えたくない買い物です。
なので、ここではYチェアを安心して購入する為には、このポイントさえ抑えておけば大丈夫ということを以下でまとめていきます。
Yチェアはどんな人におすすめできる椅子なのか?
まず、Yチェアとは実際にどんな人におすすめ出来る椅子なのかということを、3つの例をあげてみました。
①ダイニングチェアを必要としている人
もしかしたら、この用途で探されている方が一番多いのかな?
我が家も購入した目的は主にダイニングチェアとして使う為でした。
Yチェアは、デザイン性の高さはもちろんですが、なんといっても座り心地の良さがダイニングチェアで使いたくなるポイントかなと思います。
背もたれのカーブがほどよく、そしておしりを包みこんでくれるペーパーコードの座面がとにかく優しい。
そして、肘掛けに腕を預けた時のテーブルとの距離もちょうどよく、食事中も疲れることがなく快適です。
②本を読んだりPC作業したりもしくはリラックスしながら使いたい人
ダイニングチェアというより、作業用として使いたいという方にも便利な点は、やっぱり肘掛けがあることです。
Yチェアの背後から前に伸びるこの肘掛けはとても優秀です。
例えばですが、本をじっくり読むときは長く同じ体勢でいると窮屈になってきますが、そんな時わたしは少々お行儀が悪いですがよくYチェアの上で方膝を肘掛けにもたせかけながら、読書を続けるのですが、これがなかなかいい感じの姿勢でいられます。
あとは、PC作業する場合も、腕が疲れてきたら肘掛けで小休憩しつつ作業をつづけられるのでそれも都合が良いです。
ちなみに、現在 子育て中の私は毎朝早起きして、息子がまだ飽きずに一人遊びをしている間にYチェアに座ってブログを書く事が日課となっています。
③一人暮らしをしている人にもつかってほしい
これはあくまで超個人的な意見です。
東京の一人暮らしとなると1Rや1Kとなることも多いとは思うんですが、、もしスペースがゆるすのであれば、Yチェアのある暮らしを想像してみてほしいです。
例えば休日の日や仕事後の一日終わり。
ビーズクッションや座椅子、ソファまわりで超リラックスするのも悪くないけど。
でも、もしYチェアに座りながらゆっくり読書や食事したりのんびり過ごせたら それって絵的にもかなり美しいはずです。
一人暮らしって一人のリズムで生活出来るからこそ、良くも悪くも自分ペースで過ごせてダラダラしていまう時も少なくないというか。そんな時に例えば、暮らしの中にきちんとした椅子が一脚あったとしたら、生活にもめりはりが出てくるんぢゃないかなと。
Yチェアは現行で買える名作椅子なので 家族が増えた時に、その都度買い足したり出来る楽しみもあると思います。
とは言え、Yチェアの良さを生かしながら心地良く使う為には、やっぱり最低限のスペースの確保は必須です。
以下に記入するデメリットも参考にしてみてください。
Yチェアを使うメリットとデメリット
Yチェアを使う際のメリットとデメリットをまとめてみました。
[メリット]
- 高いデザイン性と座り心地の良さ
そのまんまなんですが、ここがYチェアの一番の魅力と強さ。
どの角度から見ても美しいデザインでありながら、どの態勢で座っても無理がなく座り心地が良い!
- 経年変化を楽しめる。
使っていくうちに木目の艶と色の変化が楽しめます。
- 万が一壊れても修理が出来る。
Yチェアを取り扱うカールハンセン&サンジャパンは、メンテナンス対応も国内対応でしっかりしていて安心ができます。
例えば、動物を飼っている家庭なんかは、座面のペーパーコード部分が特に心配だと思いますが、それもしっかり修理対応してくれます。
- 世代を超えて受け継がれる椅子。
きちんとした家具というのは、美しくありながらそしてタフです。
我が家にYチェアは購入して1年以上経ちますが、もちろん今現在何の不具合もなくつかっていますし、むしろ経年変化で木目の艶と色味が増してきてよりいい感じになってきています。
当たり前のように、毎日ダイニングチェアとしてだけでなくPC作業用としても使っていますが、使用上、特別気をつけていることも特にないです。
これから、万が一、不具合があった時は、メンテナンスや修理しながら大切に使いつつ、遠いいつの日か息子にも譲る時がくるのかなぁとか想像しています。
[デメリット]
- Yチェア全体のボリュームを考慮した上で、ある程度のスペース確保が必要になる
先ほども少し触れましたが、Yチェアの良さを機能的にも見た目的にも生かすにはスペース確保は絶対条件となります。
テーブルを椅子におさめた時点で、椅子の後ろ側を人が通れる程のゆとりがあるかなども注意ポイントになります。
1Rや1Kのお部屋で使われる方は、Yチェアをダイニングチェア兼作業用の椅子として使われることになると思うのですが、その場合はベッド等が置かれているところから、Yチェアがテーブルから出し入れする時に不自由がないか、周りのインテリアや家具を使用する時にYチェアがある事で開け閉めにも不都合がないかなども気をつけた方がいいと思います。
抽象的な表現にはなりますが、つまりお部屋の中にもある程度の余白も必要です。
あまりに窮屈すぎる場合は、Yチェアを使うお部屋には向いてないかもしれません。
そして、基本的なことになりますが、Yチェアを快適に使う為には、テーブルの高さと椅子の高さとのバランスはとても重要です。
我が家は43センチの高さのYチェアに対して、ダイニングテーブルの高さは天板の厚みも含めて74センチ、作業用テーブルの高さは天板を含めて70センチのモノを使用しています。
- 価格だけで見ればYチェアより手頃なデザイナーズ椅子もある。
そもそもですが、Yチェアの価格だけみれば安いとは言えません。
デザイナーズ家具の中でも、もう少し手頃で5、6万円台で購入出来る椅子もあります。
フリッツ・ハンセン社のセブンチェアやハーマン・ミラー社のイームズの椅子なども良い椅子ですよね。
Yチェアを検討しているなら、そのあたりも視野に入れながら、それでもなぜYチェアが欲しいのか、その理由や目的を今一度考えてみることも大事かもしれません。
Yチェアのなかでも特におすすめの仕様を知っておく
Yチェアにはフレーム、仕上げ、座面とそれぞれに種類があります。
結論からお伝えすると、その中でも「ビーチ材のソープ仕上げ、ナチュラルペーパーコード仕様」がおすすめです。
理由はビーチ材は木目も色も主張しすぎない為、他のインテリアとの相性も良いです。
その上、ソープ仕上げは 木そのものに近い質感でどの雰囲気の部屋にも馴染みやすいのです。
ブラックペーパーコードに比べて ナチュラルペーパーコードは空間を圧迫しないのも特徴です。
しかも、この「ビーチ材、ソープ仕上げ、ナチュラルペーパーコード仕様」の値段は 他の仕様と比べると一番リーズナブル。
座面の高さ(シートハイ)は43cmと45cmがありますが、45cmはEUサイズ企画なので、日本人の平均身長からすると43cmの方が座りやすいと思います。
ちなみに、デザイナーのウェグナー自身がデザインしたYチェアの座面の高さは43cmで、EUサイズ企画の45cmのYチェアは2016年から新たに加わったタイプです。
それを踏まえた上でも、自分好みやお部屋の雰囲気に合わせて仕様を検討されたいという方は以下の種類を参考にされてみてください。
[フレーム]
- ビーチ材(ブナ)
- オーク材(ナラ)
- アッシュ材(トネリコ)
- ウォルナット材(クルミの一種)
- チェリー材(チェリー)
[仕上げ]
- ソープ仕上げ
- オイル仕上げ
- カラー塗装 約25種
[座面]
- ナチュラルペーパーコード
- ブラックペーパーコード
※国内在庫とデンマークからの取り寄せで納品期日が異なる
Yチェア リプロダクトとジュネリック製品に関して
Yチェアは2012年1月に立体商標登録される以前は、Yチェアのリプロダクト、ジュネリック製品を名乗る模倣品が出回っていました。
そういうモノって正規メーカー公認なのかなと思ってしまう人も少なくなかったと思うんです。
今は立体商標登録がされているのでYチェアのリプロダクトと名乗ることは出来ませんが、ワイエーチェアやリボーンチェアと読んでいたり、ひどいところなんかはYチェを進化させた椅子と謳って3万円台などで模倣品を販売していたりします。
下の動画は、Yチェアの本物とリプロダクトの差異を細かく解説してくれています。
材料、組み付け、仕上げ、安全性、強度面など、本物と模倣品の質がどのように異なるのかなど。
例えば、模倣品は座面のメーパーコード下の素材にほぼ腐っている材木を使っていることもあるそうです。
つまり模倣品のそれらは、見た目のデザイン性の違いだけでなく、使用上の上で安全面も含めて信用出来ないということがよく分かります。
さらに断面図などを用いて分析していて非常に分かりやすいです。
合わせてこちからの関連記事も。
本物のYチェアには座面裏にカールハンセン&サンのシルバープレートが付いています。
Yチェア掲載関連書籍など
建築系やインテリア雑誌にはほとんど掲載されているYチェア。
情報やうんちくも良いけれど、もし実際に購入を悩んでいる方がいたら、自分の暮らしのなかにYチェアがあるイメージを想像してみるといいと思います。
これは教科書的、カタログ的要素もある一冊。
Yチェアのことを書かれている大きなページはないんだけれど タイトル通り名作椅子がたっぷり掲載されていて眺めているだけで夢が膨らみます。
松浦弥太郎さんの本でも紹介されています。
松浦さんもYチェア購入以前からこの椅子に憧れを持っていたことが分かるエピソード。
松浦さんが男性目線で、伊藤まさこさんが女性目線で交互に上質なモノを紹介していくという本。
紹介リストだけでなく途中 お二人の対談が差し込まれているのだけど 特に「上質な暮らしとは」に関してはとても興味深い内容でした。
Yチェアしかり この本に掲載されている品々を少しずつ集められたら理想な大人に近づけるのかなぁとか。
Yチェアを安心して購入する為のポイントまとめ
長くなったので一旦ここで、Yチェアを購入する為のポイント5つまとめます。
- Yチェアはダイニングチェアとしてはもちろん一人掛け用の椅子としてもリラックス出来る椅子。
- Yチェアを使うメリットとデメリットを踏まえて自分の生活スタイルに落とし込んでみる。
- Yチェアのどの種類を選べばいいか分からない方は「ビーチ材、ソープ仕上げ、ナチュラルペーパーコード仕様」がおすすめ。
- 名称を変えて販売されているYチェアのリプロダクト、ジュネリック製品には注意。
- 関連書籍を通して「自分の暮らしにYチェアがあったら?」をイメージしてみる
(ここからは余談)
私が人生で始めてデザイナーズ家具を手に入れたのは確か22,3歳の頃。
働いていた職場で購入した Yチェアのデザイナー ハンス・ウェグナーによるスツールCH53。
当時の職場にはファッションやインテリアだけでなく暮らしに関してプロの先輩達がたくさんいて、彼らの元で働けたことが今の自分の生活に大きく影響しています。
その頃の私は、ウェグナーのことももちろんこのスツールの良さもよく分からず、でも信頼している先輩にお勧めされたこともあってせっかくだから使ってみようと思い買ってみました。
このスツール 一脚から広がった世界。
そして去年、イタリアから帰国してダイニングテーブルセットをどうしようかとなった時。
宜野湾市にあるアメリカンアンティーク家具や北欧家具、雑貨を扱うRAGGEDED GLORYで見つけたヴィンテージのエクステンションテーブル。
テーブルはオッケイ。
さて、それでは椅子はどうする。
やっぱりYチェア、買うならこれだと。
テーブルに合わせて元々味のあるヴィンテージのYチェアを探す選択肢がなかったわけでもないけれど。
でも日本での新生活のスタート。
家族も増えるし、新しい気持ちで再出発する為にも、真新しいYチェアと共に歩むのもいいんぢゃないかと。
まだまだ我が家のYチェアは新人色が強いけれど、使うごとに色と艶が増していき、さっきのあのCH53のスツール同様に風格がでてくるかなと楽しみです。
Yチェアと過ごしていくことは、なんだか家族の記録にも繋がっていくんではないかと思っています。
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